いのししの捌き方について(大分式)
皮剥きから枝肉にするまで
捌く前にしっかりと⾎抜きをしておくと、臭みがなく綺麗な状態で捌くことができます。
解体作業を始める前に
作業スペースについて
解体方法も様々ですが、今回は上記のような作業スペースで行った場合の流れをご紹介します。
一番のポイントは猪を吊るす事ができるスペースを確保する事です。
⾎抜きもしやすく、何より解体作業も綺麗に行う事ができます。
さかな箱は不要な部分を入れます。
使用する道具について
1.ねじり鎌(⽑ハギ⽤)
2.⽪ハギ包丁
3.頭とり包丁(⼩)
4.⾓サバキ包丁
5.包丁ヤスリ
6.S字フック
7.⾻外し
8.ノコギリ(⾻切鋸)
9.電動ノコギリ
- 電動ノコギリ仕様
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サイズ ⻑さ334×幅63×⾼さ127mm
電源 単相交流100V
電流 1.7A
消費電⼒ 150W
1.⽑を剥ぐ
猪を台の上に置き、横にして、お湯を当てながら「1.ねじり鎌」で⽑を剥いでいきます。(ある程度⽑を除去したら「2.⽪ハギ包丁」で細かい部分を剥ぎます。
お湯は63℃で⾁が煮えない程度に保ちます。
※浴槽でお湯につけて毛を剥ぐ場合は、猪でお湯が冷えてしまうので、70℃のお湯をためて63℃まで下げます。
2.頭を切り落とす
- 喉元に「3.頭とり包丁(⼩)」で切り込みを⼊れます。
- ⽿の真ん中から頬にかけて切り込みを⼊れます。
- 喉元に切り込みを⼊れ、気道、⾷道を切り落としていきます。
⾸元の⾻(環 椎)の関節は両⼿で頭をねじって落とし、 残りの⽪と⾁を切っていきます。
3.仰向けに台にのせ、固定する
4.お腹から胸を切り開く
- 「6.S字フック」をかけるために、後ろ⾜を刺します。
- 下腹部から股間部にかけて「3.頭とり包丁(⼩)」で切り込みを⼊れます。尿道⼝の上から股の付け根に向けて尿道を傷つけないようにV字なるように切ります。
- 胸部に切り込みを⼊れると肋⾻が確認できます。
- 「8.ノコギリ」で胸部から腹部にかけて切り込み、肋⾻を切断します。
5.猪を吊るす
先ほど切り込みを入れた後ろ足にS字フックを差し込み、片方の足を先にかけ、そして残りの足にS字フックを差し込み、両足から吊るします。
※解体⽤ハンガーがあれば、⾜が閉じないように1本の⾦具で⾜を固定します。
6.内臓を取り出す
下腹部からナイフを切り込み、前を完全に切り開きます。
直腸を掴みつつ、肛⾨の周りの⽪を切り取り、腸と胃袋を地⾯に向けて落としていきます。
次に横隔膜を切開し、に肺や⼼臓と内臓を取り除きます。
※取り出す際に膀胱等を破かないようにご注意ください。
肛⾨の⼿前を結束バンド等で結んでおくとより安全です。
7.足、尻尾の切断
4本の⾜先を切り落とします。蹄を動かしてどこが曲がるか確認し、関節の⽬星がついたら「3.頭とり包丁(⼩)」で切りつけ、ねじって切り離します。
作業がしやすいように、背中側に回り尻尾を切断し、⾸の先まで軽く切り込みを⼊れ⽬印とします。